数日後、社長が和順庵に来られました。「先生、先日は鑑定有難うございました。先生の仰ったJ先生じゃなく、N先生にしました。」 「そうですか、新店舗開業の目処がついて、良かったですね。でも、次の人を探しておいた方が良いですよ。」 「N先生はダメですかね?私も経営者として、人をみてきたつもりですが、、。」と、不服そうに言われたので、それ以上の事は言いませんでした。それから3ヶ月後、社長の店はオープンを迎えました。更に2ヶ月が過ぎた頃、社長から鑑定の予約が入りました。「先生、やっぱりN先生はダメですわぁ。腰の低い、良い先生と思ってましたが、○者さんからクレーム来るは、、スタッフと揉めるは、、とにかく技術力の無さには驚かされました。まぁ、あんな調子で続けられたら、店が潰れますわぁ、、」 「で、どうされるんですかぁ?」 「例のJ先生、他が決まった様ですが、週一なら来れるそうなんで、お願いしました。」と、私の助言など何処えやら、、。でも、流石社長と思いました。状況を見極め、直ぐに対応するところは、社長と言われるだけの事は有ると思いました。社長が新店舗の相談に来られて、1年に成ろうとしといた時、社長から鑑定の予約が入りました。「先生、J先生が給与を上げなければ、辞めるって言うんです。どうしたら良いですか?」 「でも、N先生はいるんでしょ、、。」 「N先生は、仕事がザツで技術力が無いんで、J先生が尻拭いしてたんです。多分、足元みて言ってるんだと思います。このままなら○者さん来なくなります。」J先生でなくとも、尻拭いばかりさせられるのなら辞めるつもりで、社長に言うだろうと思いました。でも、この社長の事だから、既に手は打っていると思いました。「先生、すいませんでした。経費の事ばかり考えて、、。結局、余計な経費がかかりそうです。最初からJ先生の方を採用しておけば良かったですね。」 と、悔まれていましたが、この社長ならなんとかやって行かれる様な気がしました。人を雇う事は、大変ではありますが、人に活かされながら生かされている事を思えば、この出来事は社長にとって、良い経験になったと思いました。
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