和順庵では、4日から仕事始めとなりました。まだ、会社が休みにも関わらず、たくさんの鑑定依頼を下さり、本当に有難う御座います。今年も、皆様の期待に応えられる様、精進して参りますので、これからも宜しくお願い申し上げます。
さて、和順庵では、今年の抱負と致しましては「修得」の年にして行きたいと思っています。昨年、大動脈瘤の手術をした事で、自分はまだまだやるべき役割を果たしていない事に、改めて気付かされました。同時に、救済活動と修行の大切さを思い知らされました。自分は、何の為に僧侶となり、修行者を目指したのか、、。入院中、その事ばかり考えていたのです。これからも、密教秘奥義の実践研鑽を、続けなければいけないと、強く思いました。天台宗の古文書の中には、幾つかの加持祈祷(護摩供養)の奇跡について述べられています。たとえば、歴代の密教行者が朝廷から加持祈祷の依頼される内容として、痛みの緩和というくだりがありました。主に虫歯の痛み止めを、行者に依頼された様です。当時、どの様な秘技を使ったかは定かではございませんが、先達(先輩)行者仲間の伝聞等の資料を集めながら、幾つかの秘技に到達出来る事が出来ました。これをやったから効き目が有るとは思いませんが、今回の病気もそうですが、自らの持病に対して加持祈祷をし、何らかの効果がみられれば幸いと思っています。
昔、大峯山修験道だった頃、身を清める為に水行をするのですが、山水の冷水が溜まった池に浸かる水行は、初めての方なら、その冷たさに10秒も保たないかもしれまはせん。ベテランともなれば、問題なくこなされますが、入信したての頃は、足がつるような痛みがありました。大峯山は、5月が開山で、9月が戸締めとなり、この期間に全国から修験行者が集まってきます。特に5月は、気温が10度にも満たない位、寒い時期で、その時の水行は、大変だった記憶があります。有る時、修験道先達が、大峯修行の注意点を説明している時、、「今年は、特に寒い冬だったので、山頂には、ところどころ雪が積もっているから、山道の端を歩かぬ様、注意しなさい。また、丹田に集中する事で、痛みが和らぐので、普段から丹田に気を集中する訓練をしなさい。」と、言われました。丹田とは、下腹辺りに位置し、よくヨガなどで息を吸ったり、吐いたりする動作をする事で、鍛えられるとか、、。この動作のお陰かどうかは分かりませんが、不思議と、水行の冷水の痛みを感じなくなりました。医学が発達しているとはいえ、人間の身体のメカニズムは、まだまだ解明されていない事がたくさんあります。特に、脳のメカニズムついては、研究の余地がある様に思います。加持祈祷にも、依頼者の現状を把握しながらも、心のケアが大切に思います。例えば、、「貴方の妻や子供は、貴方より早く亡くなります、、。」と言われるより「貴方は、家族の中でも長生きします、、。」と言われた方が、気分が良いと思われます。脳がどの様に判断し、我々の心や身体に働きかけるのか、、。これらの仕組みを理解しながら、加持祈祷を交える事で、新しい治癒が見出される様に思えます。ですが、若輩者の私には、完成に至らないかもしれませんが、残された命が尽きる時迄、実践していきたいと思います。