皆さんは、ダイエットで絶食された事は御座いますか?何日位が限界でしょうか、、。私の修行時代は、千日回峰行者の心境に、少しでも辿りつきたいとの思いから、9日間の断食と不眠不臥(眠らない、横にならない)を6日間敢行致しました。但し、不眠不臥については、途中何度も記憶が飛んでおり、実際達成したとは、言い切れません。そう思うと、千日回峰行者は、超人的な体力・忍耐力・信仰力を兼ね備えており、選ばれし修行者のエリートです。私の様な若輩者が、する様な、修行では御座いません。今回は、3日間の予定で、奈良県の友人寺のお堂を借りて、行に入りました。昼頃、滝行を終え、身支度をして、お堂に入りました。入って直ぐに、本堂に祀ってある、不動明王に祈念し、堂内を浄めました。ここから、3日間の堂入り修行の始まりです。内容としては、経本数冊を持ち込んでいるので、何度も何度も、心の中で唱え、3時間半事に休憩をとります。中途半端なインターバルと思われたでしょうが、ロウソクが完燃するのが7時間ですので、その半分になったところで、トイレ休憩します。山々に囲まれた奈良県吉野郡は、朝晩は5度近く迄冷え込むので、冬支度をしてきましたが、今回は、それ程寒さを感じずに、修行が出来ました。修行に入って、最初の7時間が一番キツくて、、何でこんな事をするのかと、途中で辞めたくなります。これは、衆生のアカに染まり過ぎたからと思いながら、更に7時間、、ロウソクを交換していきます。すると、今度は、過去の思い出が頭を過ってきます。あの時にこんな事をしておけば良かった、、。何故、こんな生き方しか出来なかったのだろう、、と、後悔の波が押し寄せてきます。40代の頃は、2〜3日位どうって事無かったのですが、還暦の私にとっては、かなりキツイ修行となりました。そんな事を思いながら、1日目が終わろうとしてました。2日目に突入すると、今度は、強烈に睡魔が襲ってきます。少しでも、眼を閉じたなら、そのまま爆睡しそうな状態でした。この頃になると、体力の衰えを、つくづく感じる瞬間です。それと同時に、背中・腰・首・尻にストレスを感じだし、、何度も身体をモジモジしながら、大勢を整えます。もし、壁に背中を付け様ものなら、そのまま、眠っていたかもしれません。2日目の終盤辺りになると、殆どトイレにも行かなくなります。この歳になると、1日がアッという間に過ぎて行きますが、修行の1時間は、普段の3〜4倍位に感じてきます。ローソクの火が早く消える事を願いながら、早く終わらないかと、考え出します。この頃が、丁度2日目を終えた頃です。3日目、急に気温が下がったのか、肌寒く感じられましたが、ここまで来ると、何も考えなくなってきました。やっと、修行らしくなってきました。修行時代は、僧侶に成りたいという目標が有ったから、どんな辛い修行にも耐えて来られました。ですが、今の自分は、社会の潮流に飲み込まれ、世俗の人間に染まっていたせいで、僧侶の基本中の基本を忘れかけて居たのかもしれません。その基本とは、、それは、人助けであり、貪瞋痴(自分の好むものをむさぼり求める貪欲,自分の嫌いなものを憎み嫌悪する瞋恚,ものごとに的確な判断が下せずに,迷い惑う愚痴)の解脱です。この辺り迄来ると、心地よい苦しみという表現が合っているかは分かりませんが、後2〜3日位は続けられそうになって来ました。友人の奥様が心配になって、何度も、お堂の近くまでこられるのが分かりました。修行が終わったのが、翌日の16時位でした。友人が私の為に、胃に優しい夕飯を用意してくれました。それを見た瞬間、心に熱いもの感じ、、思わず合掌していたのです。その時、今回の修行は、無駄では無かったと、つくづく思いました。友人宅でもう一泊させて頂き、翌日の昼前に帰らせて頂きました。本当に有難うございました。今回の修行の目的は、入院する前の心の準備でした。私の病は、結構大きな手術を要しますので、少しでも自分の身体を清浄にしたかったのです。この時点で、私は仏様の懐に溶け込んでいる様な感覚になっていました。 次回つづく。
