加持祈祷によって導きだされた男の存在に、記憶がないのであれば、Cさんは、どうしてこの男から影響を受けたのだろか、、。謎の残る鑑定となりましたが、念の為、Cさんには、祈願札入りのお守りを授けました。その後のCさんの容態は分かりませんが、連絡が無いところをみると、快方に向かっていると思う様にしました。ですが、この様な霊的な影響を受ける人は、一時的に良くなっても、再び相談に来られるケースがございます。それは、一度この様な経験をする人は、免疫力(守護力)が弱まっているので、新たなウイルス(霊現象)に犯される可能性が有るからです。その様な人には、神仏に帰依し、先祖を大切に思う気持ちを持たなければなりません。私は、一つの仮説をたてました。それは、元々Cさんではなく、Cさんの会社で働く別の誰かと親しくされていたのではないか、、。そう思うのは、Cさんは、優しい人では有りますが、面倒みの有る程、義理堅い人には思えないからです。また、Cさんは、、小心者で、ややこしい事には関わりたくない人間でもあります。警備の仕事についたのも、あまり人との接触を避けたかったからだと思います。警備員がその様な人間だと困るかも知れませんが、Cさんは、人前では自分の弱みを見せないところがあります。そんなCさんに、謎の男は、自分の心情を語ろうとはしないと思いました。ならば、どうして、、そんな事を考える内に、つい時間だけが過ぎていきました。ふと、時計を見ると午前0時を過ぎていたのです。そろそろ、就寝しようと思った時、誰かがコチラを見る強い視線を感じました。すると、急に心が乱される様な感覚になり、不安な精神状態になってきました。その時、心の中で真言を唱えました。一瞬の出来事でしたが、昼間のCさんの鑑定時の感覚を思いだしました。これは、Cさんだけでなく、自分の無念さを誰かに伝えたいのではないか、、その様に思えてきました。翌朝、いつもより、長いお経を唱える事にしました。すると、頭の中に、誰かの両親・兄妹の姿が頭の中に映し出されました。その姿を見たとたん、急に涙が溢れ出てきて、思わず「ごめん、迷惑かけたなぁ、、ごめん、、。」と、何度も詫びていました。私も親不孝者では有りましたが、ここ迄、両親に詫びる行為をした記憶がないので、これは、Cさんに影響している男性の心情だと思いました。それと同時に「そうだったのか、、。」と、自分なりに得心した気持ちになってきました。朝のお勤めを終えた時、久しぶりに気持ちが晴れている自分がいました。これは、誰かに感謝される気持ちと同じ感覚です。Cさんに寄り添っていたその男性が、気持ちを伝えた事で、涅槃の世界に旅立ったのだど思いました。その時でした。これは、Cさんの身体を借りて、和順庵に来る事が目的だったのではないか、、その様に思えてきました。私が泣いて詫びたのも、私の身体を借りて、謝罪したかったのだと、、そう思えて来たのでした。この霊体の存在のお陰で、久々に清々しい朝を迎える事ができました。