島根県の出張前にして、持病の関節リュウマチを悪化させてしまいました。最初は、軽い腰痛と思っていましたが、次第に足の付け根とお尻の辺り迄、痛みが増して来ました。今朝は痛み止めの薬を飲みましたが、一向に痛みが取れず、出張鑑定をお断りする事も考えましたが、主催者の気持ちを考えると、、結局、無理を推して、主催地に向かう事にしました。移動中、記憶がない程、痛みと向き合っていましたが、明日からの出張鑑定の不安を抱えつつ、ホテルに着きました。ベッドに横になりましたが、痛みは容赦なく襲ってきました。すると、頭の中に先達(密教修行者の先輩)の事を思いだしました。ここは、彼にすがるしか無いと思ったのです。
②執着を手放す勇気
お釈迦様は、老人に友達が居る事で、無意識のうちに、その人達に執着する様になると説かれました。特に、長い付き合い程、その関係に依存しやすく、別れが辛くなる。老人は、過去に友人が遠方に引っ越した時、思った以上に寂しさを感じた事を思い出しました。友人関係が深まると、期待を寄せたり、相手に頼ったりする事が増えていましたが、それが逆に自分を縛り付けていたのかも知れません。孤独の実践を通じて、老人は一人でも豊かに生きる心の強さが自分にも有る事に気付き、心が軽くなっていくのを感じました。老人は、過去に友達と過ごしていた時間を一人の読書や瞑想の時間にあてる様になり、少しづつ内面が豊かになっていくのを実感しました。他者に依存する事なく、心の静けさを楽しむ生活が、彼にとって大きな変化となっていきました。老人は、自分の心の内にある静寂に気付き始めたのです。それは、友人や家族に求めるものではなく、自分自身の中に備わっているものでした。この静寂こそが、彼が長年求めていたものかもしれないと感じる様になりました。執着を手放す事で、老人は自由を感じる様になりました。自分の心が本当に満たされるのは、誰かに期待するのではなく、静かに自分を見つめる事にあるのかもしれないと気付いた時、彼の心は一段と軽くなったのです。 次回つづく
