和順庵には、様々な困難を抱えていたり、逆境に立たされているお客様がお越しになります。その方々が共通して言われる事は、、「どうしたら、この苦しみを跳ねのけられますか、、。」と、この先、自らがどの様に生きて行けば良いのかを、尋ねられます。今日に至るまで、私も色々な困難と向き合ってきました。ですが、震災で家族を失われた方々の事を思い出すと、自分はまだまだ恵まれている、、。また、孤独になって、苦しみと向き合いながら、自らのチカラを信じ瞑想する事で、もっと努力しなければならないと、自らに言い聞かせます。昔、お釈迦様がいらした頃、一人の男性が悲しみのドン底にいました。彼の周りには、やる事なす事、、努力が実らず、これからどの様に生きて行けば良いのか、、途方にくれていました。彼は、自分の苦しみをお釈迦様に相談する事にしました。「私には、どうする事も出来ません。これから、どのように生きて暮らせば良いのか、分からなくなってきました。」と、今まで自分に起きた困難を、お釈迦様に告げました。すると、お釈迦様は彼を連れて、雪が降り積もる山へと、連れて行きました。冷たい風が吹き荒れる中、お釈迦様は、一つの大きな樹木を指差しました。その木は、厳しい寒さと強風に耐えながら、しっかりと地に根を張り、力強く立っていました。お釈迦様が彼に「この木を見なさい。どんなに風が強く、寒さが厳しくとも、この木はその根をしっかりと張り、嵐にも耐え抜いています。貴方も同じです。どんなに、厳しい状況であっても、貴方には逆境に立ち向かう力が有るのです。自分の根を深く張り、しっかりと立ちなさい。苦しみの中でこそ、人は強くなり、成長するのです。」
次回つづく。
