7月になり、ここ大津市坂本も、猛暑日が続いています。僧侶にとって、コレからが忙しくなる季節、、何とも、先が思いやられます。
さて、今日はＫさんの対面鑑定の日です。「先生、ここ数日、亡くなった母が夢に出てきて、私の方を向きながら、悲しそうな顔をしているんです。一周忌も過ぎているというのに、母は未だ成仏してないのでしょうか？」「鑑定に入る前に、実は私の周りでも不思議な事が有って、、。貴女様との出会いは、お母様の形見というか、神仏の道具をお預かりした事に始まります。お預かりした中で、特に気になっているのが、お母様の珊瑚の念珠です。珊瑚の照りも綺麗だし、フサも真新しく感じます。お母様は、貴女に持たせるつもりで、この念珠を買われたんじゃないですか、、。」「でも、母は使っている念珠が古くなったから、買ったと言っていました。」「それは、貴女を心配させない様に、お母様が気を遣われたんだと思いますよ。貴女の嫁ぎ先の信仰は、確か〇〇〇〇でしたね。貴女もそれが理由で、私にお焚き上げの依頼をされたと思っています。」「どうしたら良いですか？」「念珠だけでも、お母様の形見と思って大切にお持ちになれたらどうですか、、。きっと、お母様も喜ばれますよ。」「分かりました。それで、母が成仏してくれるのなら、そうします。」「了解です。私の周りでも、変な事が起こるので、和順庵でお預かりしたコレらの神仏道具等は、貴女の返事次第では今週末辺り、お焚き上げしようと思っていました。」「良かったです。もしそれが事実なら、私は取り返しのつかない事をしてました。先生、有難う御座います。」「Ｋさん、今からお時間ありますか？お母様の念珠は、御霊を抜かして頂いてます。お母様の供養と共に、念珠に開眼供養をしたいのですが、どうですか？」「是非して下さい。嫁ぎ先の勧めで〇〇〇〇に入信したとはいえ、私は私ですから、、。」「分かりました。では、その様に致します。」供養を始めると、いつもより、散香が勢いよく煙が舞い、堂内が真っ白になりました。すると、私の後ろで「母さんゴメン、、堪忍して、、。」とＫさんのすすり泣く声が聞こえました。何気に左壁に飾っている母と弟の遺影に目を向けると、二人の顔がいつもより、柔和な顔に見えました。私も、二人に向けて、、「お母ちゃん、光雄、安心して仏さんのもとで、修行してやぁ、、。」と心の中で呟きました。その日以来、私の周りでは不思議な出来事は起こらなくなりました。それから数日が経ち、Ｋさんからお電話頂きました。「先生、先日は有難うございました。あれから、母が夢に出てくる事もなくなりました。実は、本当は直ぐにでも先生に連絡したかったのですが、母の実家の叔父さんが心不全で、亡くなったんです。その時、思ったんです。母は、この珊瑚の念珠を使いなさいと言っている様に思いました。近くにいた叔母が、この念珠綺麗ね、、高かったでしょ、、って言われて、、。母が褒められている様な気がして、、。先生、本当に有難う御座いました。」と、Ｋさんから、感謝のお電話を頂きました。
