今まで、「祓い」と言う儀式をやってきましたが、ほとんどの方が、精神的な病気によって引き起こされた事象だと思ってきましたが、中にはホンモノというか、理屈では説明出来ない事象も有りました。過去には「エクソシスト」さながらの口から泡の様なものを出されたり、明らかに人間以外の目や表情をされたりと、、この様な仕事をしていると、私なりに不思議な体験をしてきたのですが、私としては、ただ向き合うばかりで、本当に解決したのか、、分からないまま、やって来ましたが、今回は何となく上手く行く様な気がしていました。それは、私の夢の中に、何度か出て来た未成仏霊が、何とかしてくれと、懇願している様に思えたからです。私は、Cさんの背中を摩りながら、不動明王の真言を唱えていました。すると、Cさんはチカラが抜けた様にぐったりとされたので、ソファーに寝かせました。Cさんは、うつろな目をされながら、、「なぁ、、なぁ、、面白いやろ、、なぁ、、ハハハッ、、。」と、薄気味悪い笑みを浮かべていました。早速、加持祈祷による「祓い」の儀式に取り掛かりました。散香とシキミによって清められた水をCさんに散布し、独鈷杵を右手に持ちながら、不動明王の真言を唱え、印を結びました。すると、Cさんがスッーっと起き上がり「すみません、、先生、今私寝てましたか、、。」「いえ、大丈夫ですよ。今から、私がお経を唱えるので、本殿の薬師如来に向かって合掌して下さい。」「分かりました。」と、正気に戻られたのか、コチラの呼び掛けに応じていました。お経を唱えていると、Cさんがシクシクと泣いているのが分かりました。儀式が終わりCさんの方を見ると、コチラに向かって合掌されていたので「Cさん、終わりましたよ。ご気分は如何ですか？」「ハイ、何かわかりませんが、、ホッとしたというか、、。先生、父が私に災いを起こしていたのですか？」「何故、そう思われるんですか？」「父が、〇〇子、〇〇子と私を呼んでいた様な気がして、、。」「恐らく、お父様は貴女や貴女のお母様の悲しみが、あまりにも深いので、お父様は、この世界に止まっておられたと思います。ですが、その反面、生きていた頃と違い、霊として存在する事に苦しみを感じていたのだと思います。先祖は、貴女達に災いなど与えません。むしろ、あらゆる災難から守って下さる存在です。今日まで生きて来れたのも、先祖の存在が有ったからこそです。運が悪いと思わず、生かされている事に感謝しながら、人生を歩まなければなりません。」「分かりました、、先生、本当に有難うございました。」と、何度も頭を下げながら、和順庵を後にされました。果たして、Cさんのお父様は、あの世で修行に入られたのだろうか、、。
