師走の慌ただしい月となりました。
皆様は、今年はどのような年でしたか。
私は、この一年を無事生かされ
活かされたことに感謝しています。
今月は、智慧の菩薩様「文殊菩薩」について
お話をしたいと思います。
左に文殊菩薩、右に普賢菩薩を配置する仏像安置の形式の一つです。
文殊菩薩の造形はほぼ一定していて、獅子の背に蓮華座に座しています。
右手に智慧を象徴する宝剣を持ち、左手に経典を乗せた蓮華を持っています。
文殊菩薩が登場するのは初期の大乗教典、般若経です。
ここでは釈尊に代わって般若の「空」を説いています。
文殊菩薩の徳性は、悟りへ至る最も重要な要素である智慧です。
智慧は般若を意味し悟りを意味するものです。
その「智慧」が「知恵」の象徴となって、「文殊の知恵」という
ことわざが生まれたのです。
維摩経には、維摩居士に問答でかなう者がいなかった時、居士の
病床を釈尊の代理として見舞った文殊菩薩のみが対等に問答を
交えたと記されています。