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曰く付き土地①

朝起きると、ドジャースの大谷選手の活躍に、胸を躍らされるのは、皆さんの中にも、いらっしゃると思うのですが、私もその中の一人です。彼がホームランを打った日は、何か良い一日になりそうな気がしてなりません。混沌とした世の中で、私の唯一の楽しみになっています。

有る時、Kさん62歳が、土地の相談でお越し頂きました。「先生、私の実家と借家にしていた土地を、地元の不動産屋に売却したのですが、、もし、その土地に問題の有った場合、申告しなければなりませんかね?」「そんな事はないと思いますよ。不動産屋は、ある程度その土地を調査しているので、ましてや地元の不動産だったら心配ないと思いますよ。何か有りましたか?」するとKさんは、その土地にまつわる不思議な話しをして下さいました。Kさんが小学生の頃、九州から来た工務店経営のNさん親族が、Kさんの父親が所有する借家を借りたいと引越して来ました。当時、Kさんの父親が管理する借家は、相当古かったので、N社長が改築する代わりに、駐車場の土地に、プレハブ住宅を建てさせて欲しいと言われた様です。また、N社長は、その駐車場の土地の家賃も払うとの事でしたが、Nさん達が立ち退く時は、そのプレハブ住宅を解体する条件で、Kさん父親は建てる事を了承された様です。駐車場に建てられたプレハブ住宅は、2階建の6世帯が住める様になっていました。最初は、そこの1階に三世帯が住んでいましたが、当時は景気も良かったせいか、地元九州から職人を呼び寄せ、2階の部屋も全て満室になった様です。暫くして、2階の西側端203号室の家族が次々と不幸事が重なり、3ヶ月も経たないうちに、地元九州に帰って行ったそうです。すると、直ぐに住み込み希望の若者3人が、九州からやって来ましたが、彼らもまた203号室に入居して暫くすると、一人、、また一人と体調不良を理由に仕事を辞めて帰られた様です。それから、何度か住込み希望の職人が203号室に入居したのですが、2〜3ヶ月経つと、住人に不幸事や体調不良等の理由で、退去していく様です。その様な事が続いたせいか、何も影響のない2階部屋の住人も、この住宅は呪われているのでは無いかと心配になり、近隣のアパートに引越して行きました。それ以来、2階の部屋は1年近く閉ざされる事になりました。不思議なのは、203号室の真下に有る101号室の家族は、無事過ごす事が出来ていたのでした。N社長親族はじめ1階の住人はこちらの借家に10年住んでおり、引越しの時迄、何もなく過ごされていた様です。時代は好景気真っ只中、地方から出稼ぎに来る若者が増えだした事も有り、閉ざされていた2階部屋を解放する事にされた様です。2階部屋には、203号室を除いて、若者8人が相部屋で過ごしていた様ですが、流石に窮屈さを訴える人が出てきたので、仕方なく203号室を解放したのでした。203号には、春から入社したA君24歳、B君22歳、共に佐賀県出身の若者が住む事になりました。入居して1週間が過ぎた頃、A君が現場で足を骨折する大怪我を負い、仕事を休む事になった様です。それから、更に1週間が過ぎた頃、今度はB君が、荷台に体を挟まれる大事故にあい、入院する事となりました。結局、B君は退院すると共に、地元佐賀県に帰って行かれました。一人残されたA君は仕事を休み、自室で怪我の療養をしていましたが、入室してから1ヶ月が経った頃から、精神的に不安定になったと、隣の部屋の仕事仲間が言っていたそうです。ある時、隣人が食事を持って行ったら、A君は「もう直ぐ、仏壇の扉が開くから、お前も見に来ないか?」と不思議な事を言ったそうです。心配した隣人は「お前、大丈夫かぁ?仏壇なんか、何処に有るんやぁ?」と言うと「お前、見えへんかぁ、ここに有るやんけ。」と壁の方を指差しながら言ったそうです。「あっ、そうだ、、。お供えしたいから、焼酎買って来てよ。それから空き瓶貰ってきて。」「お前、酒飲めへんのに、どうするんや。」と言うと「俺が飲むんやない。オシロイ婆さんが飲むんやぁ、、」 次回つづく

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