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朝の散歩②

家のフェンスのところで、オシッコをかけない様に引っ張ると、玄関からガラガラと引き戸を開ける音がして、、中から前屈みでパジャマ姿の老婆が、玄関先にあった手押し車を押しながら出て来ました。季節は12月半ば、、暖冬とはいえ、早朝ともなると気温は3℃位になります。すると、その老婆を見た瞬間、急に犬が激しく吠えだしました。普段は、人懐っこい性格なので、あまり人に吠える事が無いのですが、老婆に対しては、敵対している犬を見るかの様に吠えまくりました。「おはようございます、、。すみません、コレッ!、、駄目でしょ、、。」と、なだめても犬は吠え続けました。老婆は、うつむきながら表情一つ変えず、私達の前を横切り、地蔵堂のある方向に手押し車を進めました。「大丈夫かなぁ、、痴呆症の婆さんかも、、。」と思いながら、乱れた髪に、痩せ細った老婆の後ろ姿を見ていました。一瞬でしたが、老婆が通り過ぎた後に、かすかに線香の匂いがしました。ふと、老婆が出て来た玄関に目をやると、「忌中」札が玄関戸に貼ってありました。「誰か亡くなったのかなぁ、、。」と思いながら、再び老婆の方に目をやると、路地を曲がったのか、、手押し車の音もせず、老婆の姿が消えていました。そんな事もあったせいか、翌朝から散歩コースを変える事にしました。地蔵堂に居た女性の事も気になりますが、いつしか月日だけが過ぎて行きました。年が明け、久しぶりに地蔵堂の前を通ると、女性の姿はなく、線香だけが焚かれていました。「あの婆さんが、御参りしてるのかなぁ、、。」と思いながら歩いていると、近くのゴミ置き場のところで、見覚えのある女性が、多量のゴミを捨てているところでした。地蔵堂の女性でした。「おはようございます。久しぶりですね。」「こちらこそ、おはようございます、、。アラ〜っ、ワンちゃん元気だった。」と彼女は笑顔で、犬の身体を撫でまわしました。「お身体、大丈夫ですか?地蔵堂で見かけなくなったので、お病気でもされましたか?」「いえっ、ウチの母が亡くなったんです。脳梗塞で倒れてから身体が不自由になったので、京都から通いで介護をしてました。多分、最後にお会いした次の日位に、母の容態が急変して、、入院して3日後に亡くなりました。」「それは、ご愁傷様です。」と言った時、得体の知れない違和感を感じました。「あの、、この道を歩いてきたら、玄関戸に忌中札が貼ってある家が有ったのですが、、ひょっとして、そのお宅ですかぁ、。」「そうです。昨日から泊まり込みで、家の整理をしてました。四十九日が終わり次第、当面空き家になるので、出来るだけ整理しておこうと思って、、。」と言われましたが、私達が見た謎の老婆の話しはしませんでした。「いつも、お地蔵さんに祈願されてましたが、お母さんの為ですか?」「それもありますが、私が生まれる前に兄が居たみたいで、、その子が2歳の時に病気で亡くなったんです。それ以来、母は、あちらのお地蔵さんに、御参りしてました。私が京都から帰って来ると、御地蔵様に線香をと、母が言うものですから、、まず最初にお地蔵さんに御参りしてから、母の介護をしてました。」「今朝も御参りされたんですか、、。」「いえ、母が亡くなってからは、行ってません。でも、後で御参りしようと思います。」と会話の中でどうしても、あの老婆の事が気になりました。「あれは一体何だったのだろうか、、。」気味が悪いので、その後は地蔵堂の散歩コースは避けていましたが、3月に入り久しぶりに行ってみると、地蔵堂に線香は焚かれていませんでした。少し、神経質になっていたと思いながら、そのまま彼女の実家の前を通りかかろうとしとた時、急に犬が吠え出しました。何かを感じとった様です。犬が吠えたその先には、手押し車が玄関先の方を向いて停めてありました。忌中札は剥がされ、外から見た感じでは電気が消えており、人の気配は無さそうでした。老婆は、四十九日も過ぎても、我が子の為に御参りしているのだろうか、、。

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