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棚行を終えて

今年も暑い棚行の季節がやってきました。

棚行とは、お盆の期間お坊さんが各お家を

まわって、先祖の供養をする修行の事です。

私は、千葉県は万蔵寺の檀家さんを担当させ

て頂きました。

約50件位を午前、午後に分けて行くのですが

どこの家も、時間を決めて行く訳ではないの

で、閉め切った座敷に通されたり、蒸し蒸し

のお部屋に行く事を覚悟して行かなければ

なりません。

いつもの事なので気にはなりませんが、棚行

イコール 汗の滝行みたいな感じです。

昨年は、うっかりまわり忘れたお家もあって

後ほどお寺に電話がかかってくる事もありま

したが、今年はその様なお問い合わせの電話

もなく無事終える事ができました。

 

千葉に着いて早々、師匠と共にお通夜に同行

致しました。通夜というのに場所は葬儀会館

を使用されている様でした。聞くところによ

ると、通夜と告別式を同時にされる様で次の

日は、初七日をするみたいでした。

ですから、枕経をあげ、続いて告別式と、、

また、故人は詩吟をされていたせいか、親族

の方が詩吟を披露されたり、、

時代の流れというか、私達も未来の僧侶の姿

とは、どうあるべきかと、、

つくづく思い知らされた様な気がします。

 

お釈迦様もお亡くなりになる寸前、弟子の

アーナンダ尊者に

「私の葬儀は、街の者にさせれば良い。

お前は、引き続き修行に努めなさい。」

と仰いました。

とはいえ、結局のところ弟子達や檀家さん達

信者に看取られながら葬儀されたのですが、

お釈迦様は 葬儀よりも修行、つまりお経の方

が大事だと仰っている様に思えます。

お経とは、お釈迦様の教えです。

ですから葬儀とは、故人を供養する場では

有りますが、今日縁によって集まった人達に

も功徳(良い行い)がある様、お経を唱えま

す。つまり、故人を通じて回向(良いご縁が回

ってくる)という事です。

ですから、このご縁を大切にし供養しなけれ

ばなりません。

合掌

大分県臼杵城跡前にて
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