その日は、早朝から何度も所作の確認をし、色んな想定を考えながらその時が来るのを待っていました。しかし、何故一旦身体から抜き出たものが私に憑依し、再び戻って行ったのだろうか?道理としてはあり得る事かもしれませんが、これは、、霊体だけの問題だけではない様な気がしました。それが今日判明すると思いました。Mさんは、時間通りに道場にお越しになりました。早速、祓いの儀式を行じましたが、一向に反応がございませんでした。本当に憑依しているのか。はたまた今迄出会った事のない強力な霊体なのか。Mさんに変化が見られないまま儀式は終わりました。「Mさん、どうですか?」「そんなに変わりないです。」やっていても何の緊張感もなく、霊体独特の空気感がございませんでした。Mさんの身体には、別の問題が潜んでいる様な気が致しました。「Mさん、律院さんに行ってもう一度護摩供養を受けて下さい。それでもダメなら、またご連絡下さい。」と言ってその日は終わりました。私の体調には変化がなく、今回は影響が出なかった様です。その日の午後にMさんから電話がありました。「20年間苦しんで来ました。色んなところに行きましたけど良くなりません。先生のところで何とか救って頂きたいとおもいます。」正直、霊体による影響なのか、それとも彼女の心の問題なのか、、、電話越しに彼女の表情を思い浮かべていると、ふと彼女の生い立ちに原因がある様な気がしました。「分かりました。では次回予約とらせて頂きます。」自信は無かったのですが、彼女の苦しみを聞くと何とかしてあげたい気持ちが優っていました。
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お盆