私は、ご主人に尋ねる事にしました。「Pさん、貴方は今日迄、相当苦労されて来られましたね。特に、親との関係が希薄で、愛情をかけられて育ったとは思えない命式になっています。」「先生の言われる様に、職場では人間関係で苦しみ、勤務先では上司や先輩からパワハラにあうなど、どこにいっても上手くいきませんでした。今度こそはと思って再就職しても、結局長続きしませんでした。幾つもの仕事を渡り歩き、次第に借金まみれになり、一時は死ぬ事も考えました。そんな時、たどり着いたのが、義父の勤める会社でした。義父は役員でしたが、入社した私を我が子の様に育てて頂き、そのお陰で私は、今の地位(会社役員)に就かせて頂いています。そんな私に、妻迄下さり、本当に感謝しても、仕切れない恩義があるのに、、私という男は、、。全て私の責任です。」「因みに、ご両親はどの様な方ですか?」「父は、私が中学の時に亡くなりました。母親は今も健在です。私は、3人兄弟の次男です。父も母もそうですが、長男と三男は溺愛していましたが、私には辛く当たっていました。有る時、母親からオマエなんて、産まなかったら良かった、、って言われた事があります。今でも、その言われた事は忘れられません。そんな母が、兄が作った借金を私が返せと言われ、、当時、長女が生まれたばかりだったのですが、給与の殆どを仕送りに廻していた時が有りました。この時は、流石に苦労しました。どこかで、母親に認めて貰いたいとの気持ちが有ったのかも知れません。本当に妻には迷惑を掛けました。」「実は、貴方に寄り添っている方がいます。多分、亡くなられていると思うのですが、話からして、貴方の実父で無い誰かが、貴方の事を心配している人がいます。恐らく、男性の方だと思います。貴方達の事を心配されて、悲しんでいる様に思います。」すると突然、横に座っていた奥さんが、急に泣き出しました。「それは、父です。いつも主人の事を大切に思っていました。父は、こいつは親に大事に育てて貰ってないから、人に対する愛情のかけ方を知らんのやぁ、、。誰かが、人間の生き方を教えたらんと分からんのやぁ、、。と、私に言ってました。」すると、ご主人は「お父さん、すみません、、。どうか許して下さい、、。もう二度と、〇〇さんを悲しませたりしません、、。」と、頭を下げられました。「では、奥さん、ご主人もこの様に仰っておられますので、もう一度、ご主人と話し合っては如何ですか、、。」「ハイ、有難う御座います。父が喜ぶなら、そうさせて頂きます。」と、涙を拭いながら言われました。この二人の姿を見た時、私は安堵の気持ちが湧いて来ました。きっと、あの◯霊は私に、この様になって欲しい事を願っていたに違いないと思いました。常々、私は先祖供養をしっかりしなさいと、皆さんにお伝えしてきました。正に、先祖のお陰で、二人の夫婦は離婚せずに済みました。ここに、先祖のご利益があった事を、私は再確認致しました。鑑定が終わり、二人を玄関迄送り届けた後ろ姿を見ながら「お父さん、これで良かったですか、、。どうか、安心して仏様の元で修行に励んで下さい。」と、心の中で願うのでした。合掌
