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涙のワケ①

相談者の中には、母子家庭の方がお越しになり、その傍らで、幼いお子さんがオモチャで遊びながら、あどけない姿を見ると、、私は、あの時の出来事を思い出すのです。それは、私が僧侶として未熟な修行時代の頃でした。ある時、私は修行の一環で師匠が出仕される葬儀に同席させて頂きました。その日は、朝から激しく雨が降っていました。朝のお勤めが終わって、兄弟子たちが居る前で、師匠のお話しが始まると開口一番「和順、〇〇さんの通夜に行くから、準備しておきなさい。それから、通夜は会館だから、法具などは要らないから身支度だけ用意しなさい。着いたら、挨拶に来られると思うけど、喪主は若い奥さんだから、、。可哀想に、旦那さんが事故で亡くなったみたいだよ、、。」と、師匠は感慨深けに話されました。この日は、私にとって、初めての通夜と葬儀になりました。少し緊張も有りましたが、師匠がいらっしゃるので心配よりも、むしろ師匠の所作を、じっくり観察させて頂こうと思いました。18時頃、師匠の車で会館に到着すると、沢山の参列者が居ましたが、亡くなったご主人が若い事もあり、親族以外は若い世代の方が多く見受けられました。スポーツをされていたのか、学生時代の仲間や、学校関係者も数多く居ました。控え室で、師匠からご指示を仰いでいると、、「失礼します。本日は〇〇〇〇の通夜にご足労下さり、有難う御座います。喪主を務めます妻の〇〇〇〇です。本日はどうぞ宜しくお願いします。」と、挨拶に来られたので、師匠が「はい、、分かりました。今日は弟子を連れて来ておりますので、コチラこそ宜しくお願いします。」と言われたので、一層の事、、ソソの無い様に勤めなければならないと、心に誓いました。通夜が始まり、私は印金を打ち鳴らしながら参列者の間を進み、その後ろから師匠が、厳かな出立ちで歩まれました。何気に喪主席を見ると、喪主の妻はハンカチを口元に覆いながら、涙を流されていました。彼女の横には、義母と思われる方が、幼い男の子を抱えて座っておられました。その子は、大事そうにオモチャのロボットを抱えながら、父親の死を知らずに眠っている様でした。通夜が終わり、控え室で道服に着替えていると、彼女が挨拶に来られました。「本日は誠に有難うございました。引き続き明日の葬儀も宜しくお願いします。」と、深々と頭を下げられました。彼女の表情は、悲しみと喪主を務めた疲れからか、憔悴しきった様に見えました。彼女、、明日の葬儀は大丈夫だろうか、、。それだけ、彼女の背中には、悲しみに満ちていました。すると、師匠が「あの娘もこれから大変だね、、。あんな小さい子供がいるのに、、。和順、明日は声明四智讃梵語(しょうみょうしちさんぼんご)で入場するから、練習しておきなさい。」「エッ、、私が唄うですか、、。まだ練習中ですが、、大丈夫ですかね、、。」「明日は、、ちゃんと唄うんですよ。」「アッ、、ハイ承知いたしました。」と、応えたものの不安が残りましたが、、もし間違えたとしても、声明なんて誰も知らないかぁ、、と思いながら寺宿舎に戻りました。帰ってから、声明を練習をする予定でしたが、兄弟子や他の修行者の迷惑になると思い、その日は早々に寝る事にしました。布団に入ると、あの男の子の顔が浮かびました。あの子は、明日どの様な表情で、父親を見送るのか、、。そう思うと悲しい気持ちになってきました。師匠がいつも言っている事ですが、どんな状況下であっても、僧侶はいつも、静水の様に冷静でいなければならないと言われていました。初めての葬儀で冷静でいられるだろうか、、。「明日は、頑張るぞ、、。」と、心の中で呟きました。   つづく。

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