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涙のワケ③

葬儀が終わり、出棺の準備に取り掛かりました。葬儀スタッフは、供花をちぎりながら、幾つかのカゴに入れて、故人の最後の別れに手向ける花を、列席者に配りました。列席者によって、故人の身体が、花で埋め尽くされる程に添えられた後、親族の順番が周って来ました。喪主を勤めた姉が、涙を拭いながら、故人の顔にソッと手を添えました。次に、故人の母と今にも倒れそうな妻が義母に支えられて、号泣しながら故人の身体に触り、何かを語りかけていました。最後に故人の父親と男の子の番が来ました。私は、遺族の後方で「自我偈・じがげ」という、お経を唱えていましたが、男の子の小さな手に、花一輪を持っていました。その姿を見た途端、悲しみの感情が溢れだし、涙がポロポロこぼれ落ちました。父親が、故人の耳元辺りに口を近づけて「バカヤロー、、こんな可愛い子をおいていくなんて、、バカヤロー、、。」と涙を流しながら言われている義父に抱えられた男の子が「パパ、起きて、、パパ、起きて、、おウチ帰ろう、、。」と、故人の身体や顔を揺さぶりながら、訴えました。その様子を見た途端、周りの親族や列席者が悲しみを抑えきれず、号泣されていました。スタッフが棺のフタを閉じて出棺すると「パパ、、パパ、、。」と、男の子は棺にすがりながら、泣き叫びました。すると、義父が男の子を下に置いた瞬間、棺の横を叩きながら、「パパ、パパ、、。」と離れ様としませんでした。義父が再びその子を抱きかかえると、父親がどこかに連れ去られると思い、義父の腕の中で、身体をのけ反りながら、泣き叫びました。師匠が私のところに来て「和順、しっかりしなさい。」と、普段通りの落ち着き払った様子で、声を掛けられました。こんな悲しい場面で有っても、師匠は涙を流さず、感情に流されず、平常心でいられるのが不思議でなりませんでした。出棺が終わり、火葬場に向かう車に師匠が乗り込んで来ました。「和順だけでは心配だから、私も行く事にします。」「先程は、すいませんでした。師匠は、どうして平常心で居られるのですか、、。」「それは、貴方よりたくさんの人を見送ったからだよ、、。でも、和順みたいに、号泣はしなかったけどね。私は、僧侶の家系だから、小さい時から人の生き死について、学んできたんだよ。先代は厳しい人でしたから、思い出したくもないよ。そんな先代が亡くなった時、小さく見えてね、、。周りの人達は泣いていましたが、私は葬儀が終わってから泣きましたよ。それが、僧侶の仕事だと、先代から言われていたからね、、。」と、師匠から僧侶の在り方を、学ばせて頂きました。火葬場では、師匠と私の読経が響き渡りました。故人が火葬炉に入れられる瞬間、遺族は更に悲しみを滲ませ、号泣されていました。義父に抱かれた男の子は疲れたのか、義父の胸にすがる様に眠っていました。あの子にとって、今日は辛い日になったに違いない。それは、明日も明後日ても、、これからも、、辛い思い出になる事でしょう。彼の暗い心に、誰かが、火を灯してあげなくてはいけない。私は、この日を境に、葬儀で涙を流す事がなくなりました。

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