頭の中に出て来た映像は、青白い顔をした女性が暗い部屋で泣いてる姿だった。それは、怨念に満ちた空気感を醸し出していた。ただ、そこに映し出された女性は、娘さんやAさんでも無く、40代位の女性に思えました。これは、何を意味するのだろうか。霊視とか霊感というのとは違い、私の場合は誰よりも沢山の方を鑑定した結果、映像であったり写真の様に、依頼者の過去の出来事が頭の中で映し出される様になりました。多分、私は誰よりも想像力が豊かだと思います。これは、直接Aさんに尋ねた方が良いと判断致しました。そう言えば、Aさんのご主人はどうなさっているのだろう。鑑定では、夫婦関係は良く無いと思われた。また、Aさんには不倫の相が強く出ていたのです。「Aさん、ご主人はいらっしゃいますか?二人の関係性が希薄に出ています。」「主人とは、娘が小さい時に離婚しました。とにかく、お酒が入ると暴力が酷くて、、。」「こんな事を聞いて申し訳ないですが、鑑定によるとAさんには、既婚者で落ち着いた男性を好きになる傾向が出てまして、過去にそんな人は居ませんか?」と、やんわりと言ったつもりでしたが「私が不倫でもしていたという事ですか?」と、先程迄と違いAさんの様子が一変したのです。「先生、娘の自殺と何か関係があるんですか、、。私は何もしていませんよ、、。」と、急に怒った口調で言われました。「何も、、とは、、それとも思い出したく無ければ、ココでやめておきますが、、。」Aさんは益々ヒートアップして「ここが良く当たるって友達に聞いてきたけど、こんな失礼な事を言われて、心外です、、来なければ良かった。」と言われたAさんの目は、何者かに憑依されている様な、目が吊り上がり、魔物の目をしておりました。「Aさん、とにかく私の話しを聞いて下さい。貴女は何者かに怯えているのではないですか、、。」「勝手な事を言わないで下さい、、帰ります!」と言って、立ち上がり、和順庵を後にされました。数日後、Aさんを紹介されたTさん50代女性から電話を頂きました。Tさんは、以前お子様の相談で和順庵にお越し頂きました。「先生、その節は大変お世話になりました。Aはご存知ですか?紹介したのは私なんです。大変失礼な事を言ったみたいで、、。」「お友達とは、Tさんでしたか、、。こちらこそ、すみませんでした。その後、Aさんはどうされていますか?」「その事なんですが、Aは前の職場の友人で、久しぶりに連絡が来て良く当たる占い師の事を聞かれて、先生のところを紹介しました。鑑定後、直ぐにAから電話貰って、理由も言わず話にならないから、途中で帰ってきたと言ってました。」「そうでしたか、、本当にご迷惑をお掛けしました。私の方もAさんのご連絡先をお聞きしていますので、お詫びの電話を入れておきます。」「先生、お詫びなんていいですよ。正直、先生にAを紹介する事を迷った位、思った事を口にだしたり、行動に移す子でしたから、、。」「了解しました。ところでTさん、Aさんは以前男女関係のトラブルをされた話しを聞いた事は無いですか?」「Aが言ったんですか?その話しはタブーになってて、、本人の前では絶対話さない事にしています。タブーと言っても、当時Aの上司の同僚から聞いた話しなんで、、。」「差し支えなければ、お聞かせ願いますか。」「Aが20代の頃、勤務先の上司と不倫関係に有りました。ですが、その上司は既婚者で、当時奥様はガンを患っていたんです、、。」ふと、頭の中に映し出された女性の姿が思い浮かびました。