私の作品の中で人気作品の一つが聖観音菩薩像です。
聖観音菩薩は本来仏界に上がられるところを、自らが
志願され、地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天の六道
の救済にあたられる慈悲深い菩薩様です。
未熟な私にとって、観音様の様な精神状態でありたいと
日々心がけておりますが、現実は自己中心的な自分がいる
ことに懺悔の毎日であります。
観音様が、かぶっているものは宝冠または天冠といいます。
宝冠の真中にある小さい仏様は化仏(けぶつと)と言います。
菩薩は何段階かの修行があって、最高位に到達すると次の如来に
なれます。
補処(ふしょ)の菩薩といいます。
補処とは前の如来が亡くなった場合、その如来のいた処(ところ)
を補って如来になれる菩薩のことです。
観音さまの化仏は阿弥陀如来ですので、阿弥陀様の次に如来に
なれるのです。
宝冠の帯は冠帯(かんたい)といいます。
両腕につけている装飾を臂釧(ひせん)、そこから出ている帯は
臂釧帯(ひせんたい)
両手首つけている腕輪を腕釧(わんせん)
首から掛けている首飾りを瓔珞(ようらく)
首から全身に流れるように掛けている帯を天衣(てんね)
天衣の下に着けている、腰から上ものもを条帛(じょうはく)、
下のものを裳(も)・裙(くん)という
菩薩は出家前のお釈迦様が基本になっているのでインドの
貴族の姿になっています。
ですから装飾品を沢山付けているのです。
持っているものは蓮華ですが、蓮華にも色々なものがあり、
その形によって意味も違います。
因みに本作品は悟りの状態を意味しています。
蓮華は泥の中から汚れのない花を咲かせるので、俗世に
染まらないということから仏花として尊ばれてきました。
観音様の持っている蓮華は、衆生救済の象徴といえます。