私は、僧侶の傍ら占術師・経営者の3足の草鞋を履いています。その事も有って、コロナ禍の時は、葬儀・法事・加持祈祷、占術の対面鑑定の仕事は、出来なかったのですが、電話・メール鑑定、物販の受注や販売の仕事が有ったので、何とか乗り越える事が出来ました。コロナ以降の国内はというと、大手企業は揃って実績を上げるものの、中小・零細企業は、今も苦しい時代を生き抜いています。日本経済は、コロナ禍以前から不景気に陥っていました。また、戦争や自然災害等も加わり、対応出来た会社、そうで無い会社と二極化しているのです。今の政権がしっかり稼働してないから、世の中が混乱する訳で、、。そんな中、公務員の平均ボーナスは3年連続増加しており、我々の血税はどの様に使われているのか、、疑問にしか思えません。そんな中で、私の元にも驚きの知らせが入りました。「もしもし、私、S株式会社のGです。先生、この度は、お取引下さり有難う御座います。つきましては、A社長から引継ぎの件で、ご連絡致しました。」「コチラこそ、有難う御座います。御社に商品を納めましたので、お支払いについてお聞きしようと思っていたところです。」「はっ、?それは、先々月の分ですか?」「そうです。A社長から私の事を伝えてあるから、弊社指定口座に振り込まれますと聞いていたのですが、、。」「ちょっと、お待ち下さい、、確認しますので折り返し電話します。」と、少し焦った様子で電話を切られました。A社長から引き続きが上手く出来て無かったのかも知れないと思いながら、連絡を待つ事にしました。A社長は、4年前にお取引した問屋さんです。催事中には、癌を患う奥様の事や、精神的に不安定な息子さんの事で相談にのった事が有りました。そんなA社長ですが、取引店には、苦労のひとつ見せず、お客様に笑顔で接していました。A社長が「先生、ウチの女房、後どれ位、生きられますかね、、。医者からは3ヶ月と言われたんです。先生、もうダメですかね、、。ここ迄来れたのも、女房のおかげなんです。」と、涙を浮かべながら、元気だった頃の奥様の写メを見せられた時は、私は言葉が見つからず、お応えする事は出来ませんでした。余命1ヶ月と言われた奥様が、1年の闘病の末、昨年お亡くなりになりました。家族思いのA社長の事を思うと、相当落ち込んでいるだろうなぁ、、と思いました。それから暫くして、奥様の影響が出始めたのか、、それとも経営が上手く行ってないのか、A社長からの支払いが遅れる様になりました。そんな時、A社長からコロナ禍以降赤字続きで、一旦会社を休眠するとの連絡が入りました。私のところの支払いも何回かに分けて、やっと先月支払って貰いました。その事も有って、A社長の取引先のS社と直接取引下さいと言われたので、S社と契約書を交わし、後は指定口座に振り込まれるだけでした。暫くすると、S社のGさんから電話が掛かってきました。「お待たせ致しました。弊社経理担当の元にA社長から連絡が入り、先々月の売上げは、いつもの様にA社長の口座に振込む様にと依頼が有ったそうです。まだ、A社長からお振込みないですか?」と、想像もしていない返答が帰ってきました。「分かりました。実は、この売上げ金は、弊社に振り込まれる事になっていました。では、A社長に尋ねてみます。」と、一瞬頭が真っ白になりました。金額の事よりも、まさかA社長がこんなことをするなんて、、。直ぐ様、A社長に電話を入れてみましたが、中々繋がりませんでした。すると、またS社のGさんから電話が御座いました。「先程、A社長に電話致しました。倒産の様です。弊社も僅かですが、未納品や協賛金の未払いがあるので、尋ねてみると口座には残金ゼロで、弁護士に委託したとの事でした。先生、申し訳ございませんでした。契約を結んだ段階で、先生にご連絡申し上げたら良かったですね、、。」「仕方ないです。先程から、電話しているのですが、中々繋がりません。」「先生、すいません。ですが、これからも弊社の事を、宜しくお願いします。」「はい、こちらこそ、宜しくお願いします。」と、言ったものの、、さぁ、これからどうしたものか、、。
