出家した当初は、正座に苦労していた事を思い出します。
私は、成長期に起こる膝の軟膏が出る傷害を負っており、正座は5分も持ちませんでした。僧侶としては致命的な傷害です。
毎日、風呂の中で膝と足首をマッサージやストレッチしながら正座を繰り返しました。
5分から10分、15分・・・30分と徐々に座れるようになり、今では一時間は余裕で座れるようになりました。
さて、結跏趺坐という座り方をご存知でしょうか。
インドの修行僧によく見かける座り方です。
護摩供養では、結跏趺坐を2時間座り続けるのです。
正座と違い、股関節、足首、膝、腰などに大きな負担となります。でも、修行中の時は不思議と苦痛は感じられず、ただ仏と向き合い気付いたときには行を終えているのです。
降壇して、ホッとした瞬間、苦痛と共に腰から砕け落ち数分の間、シビレ地獄と向き合うのです。
正座や結跏趺坐は、僧侶にとって食事をとるのと同じくらい当たり前の行為なのです。