運命を変えるには、時として勇気が必要です。彼の様に、今ある生活を犠牲にする場合もございます。人は一度慣れ親しんだ生活を変えるのは、周りの理解と覚悟が要ります。私も起業時は、本当に食べて行けるのか、不安も有りましたが、柔道で培った持ち前の負けず嫌いが功を奏しました。彼の相談を受けてから、丁度1年が経過した頃、彼から鑑定の依頼が御座いました。「先生、ご無沙汰です。僕の事、覚えていますか?競輪選手になるのが夢で、相談させてもらいました。最終選考まで行きましたが、落選でした。」「そうでしたか、残念でしたね。むしろ、誤った鑑定をしてしまい、すみませんでした、、。これから、どうされるんですか?」「落選した事を前の会社に報告したら、いつでも帰ってこいと、言われました。」「そうでしたか、、それは良かったですね。では、前職に戻られるのですね。」「実は、競輪選手になる為に行っていたトレーニングジムのトレーナーが、もう一年頑張ってみないかと言われて、、そちらのジムで働きながら、再チャレンジする事になりました。」「後悔はないですか?」「後悔どころか、、先生に感謝しています。今日来たのは、先生にお礼が言いたくて、、給与は半減しましたが、毎日が楽しくて、、。先生、有難う御座いました。」と、笑顔で話されました。あの時、運勢通りに彼を占っていたら、夢を諦める様、説得していたかも知れません。性格によっては、無理をなさらずに、、とか、今の生活を大切にして下さいなど、その方の持っている気力によって、占う場合が御座います。気力とは、その方がまとうオーラといえます。これは、私が経験によって持ち得た才能であって、他人に伝授出来るものではございません。早くに両親を亡くされた彼は、妹さんを養う為に中学卒業後就職し、競輪選手になる夢を諦めかけていたと思います。ですが、彼のオーラには誰にも負けたくない、、強いオーラ、闘気をまとっていたのです。その強い闘気が、私の鑑定に影響したのだと思います。鑑定後、彼は私に「最後のチャレンジになるかもしれませんが、怪我のない一年になる様、先生祈って下さい。」と言って、帰られました。ふと、彼の後ろ姿を見た時、以前見た様な闘気の勢いはなく、彼が言う様に最後のチャレンジになる様な気がいたしました。ですが、その鍛え上げられた身体には、悔いのない自信に満ちた大きな背中姿が有りました。