不動明王とは・・・
不動明王は、悪魔を降伏するために恐ろしい姿をされ、すべての障害を打ち砕き、おとなしく仏道に従わないものを無理矢理にでも導き救済するという役目を持っておられ、「大日如来」の使者です。お姿は、目を怒らせ、右手に宝剣を持ち左手に縄を持つ大変恐ろしい姿をしておられますが、そのお心は人々を救済しようとする厳しくも優しい慈悲に満ちております。
平成24年1月28日、出先の車中で私の携帯電話に父から母が入院したとの連絡がはいりました。その時、一瞬頭に「不動明王」の御姿を感得いたしました。帰宅せず、私の作品を積んだまま病院へ向かう道中、ただひたすら「不動明王」の御真言を唱えていました。
病院に到着した私は、私が創作した作品の中から「不動明王」を選び出し、緊急処置室に向かいました。そこには、酸素マスクを付け意識のない母がベッドに横たわっていました。医師から心不全と聞かされ、かなり危険な状態だということでしたが、私の心は不思議と落ち着いており、きっと母は死なないと確信していたのでした。 「不道明王」を膝に抱えながら廊下に待つこと2時間程の間、私はただひたすら御真言を唱え続けました。
その時、奇跡が起きました。
母の意識が戻ったのでした。先ほどとは打って変わり母の顔色が良くなり、声を発するまで回復致しました。担当医も驚きを隠せない様子で、「ここまで回復すればもう大丈夫、念の為、検査入院をしてもらわないといけないが、危険な状態は脱しました。」と心強いお言葉を頂きました。
医師は、「これもお不動様のお陰かな」と言って下さり、改めて仏道の素晴らしさを知るきっかけとなりました。もしこれが偶然であり、医師の力により回復したので有ったとしても、その時は、藁をもすがる気持ちになっていたことには変わりなく、これが不動明王のお力であるならば、僧侶として当たり前に思うのであります。
ご真言