鑑定にあたり、一番気をつかうのは相手の気分を損なわない事、、ですが、私はついつい良くなって貰いたい一心で、言葉を飾る事なく正直に話してしまう事があります。「Bさん、貴女はお母様を見捨てたんじゃないですか?お母様は、貴女に何かお願いをされていたんじゃないですか?貴女は、お母様からされて来た事を思いながら、自業自得と思われたのではないですか?」ア〜、、っ言ってしまったと思いながら、Bさんに問いかけました。すると、Bさんは困惑する表情になられ「確かに、母は亡くなる前、私のところに訪ねてきました。先生の言う様に、私が母を殺したと言われればそうかもしれません。」と、半ば開き直った表情で話されました。友人Tさんが側にいるので、Bさんの本音の部分が聞き出せないのですが、恐らくお母様はBさんにお金の相談に来られたのでしょう。Bさんの性格上、自分の趣味や興味を示す以外は、お金に関してはケチな所があります。特に、自分が憎んでいる相手には、たとえ親兄弟であっても、お金を貸さないと思いました。この後、それを実証される出来事が起こります。Tさんが私にお願いされるのは、Bさんを親友と思うTさんの優しい心と、どんな相手にも困っている人を見たら、何とかしてあげたいと思うTさんの慈悲深さにあります。ですが、Tさんには申し訳ないですが、Bさんが過去の執着を捨て改心しない限り、彼女の運勢を変える事ができないと、心の中で呟きました。「Bさん、貴女が運の悪いのは貴女の過去世から来るもので、私にはどうする事も出来ません。ですが、お母様が貴女にして来た過去を許し、懺悔する気持ちを持つ事で、光明が見えてくるかも知れません。」「そうですか、、出来るだけ努力してみます。」と、うつむき加減でBさんは言われました。鑑定が終わると、横に同席されていたTさんが、バックから財布を取り出し、鑑定料を支払って下さいました。お二人を鑑定して、まとめて御支払下さる事は有っても、今回の様な友人の為に御支払される事は初めてでした。たとえ、Bさんがお金が無くとも、事前にTさんに借りて、自らの財布から支払うものではないか、、。その時でした、、。ふと、Bさんの背後を見ると、先程の幻覚の鬼婆が、私の方を向いて「この者に何を言っても無理だぞ。人に感謝する事や、人を信じる事が出来ない女だから、、。」と言われている様でした。鬼婆は、Bさんの心を映し出す鏡の様な存在なのかも知れません。最初からBさんは、救われたいという気持ちが無かったのだ。不幸なガチャ親のせいで、自分の人生が不幸になったのだと、悟っているかの様に思いました。鑑定後、後味の悪い感覚になりながら、Tさんの慈悲深い心に報いる事が出来なかった事に、申し訳ない気持ちで一杯になりました。