引越し準備もクライマックスを迎えました。今月は出張鑑定が有るので、それまでには目処を立てておきたいと思っていました。和順庵には、沢山の仏像・仏具と護摩壇、仏壇がございます。引越しと言っても、すべてにおいて、「閉眼供養」を施します。皆様は、閉眼供養をされた事は有りますか?閉眼供養とは、魂抜き(たましいぬき)の事で、魂を宿らせていたご本尊(仏像)やお位牌、お墓などに対し、再度読経を行い魂を抜く儀式のこと。「お性根ぬき」(おしょうね)ぬき」、「撥遣(はっけん)供養」などとも呼ばれます。主にご本尊などの移動・処分する際や、お墓を移転する際などに、菩提寺の僧侶に行って貰います。お仏壇に対して必要かどうかはお寺の考えによって異なる様ですが、私一個人の意見としては、必要無いと思います。そんな閉眼供養を終え、仏様を梱包していると、幾つかの呪物が有る事を忘れていました。呪物とは、超自然的な力や呪い・霊的存在が宿ると信じられた物体であり、儀礼やまじない・呪術で用いられる特別な道具やアイテムを指します。その呪物を依頼者から預かる度に、知人の寺で焼却処分して貰っていたのですが、中でも曰く付き呪物については、どうしても処分出来ずにいます。それは、私のところで、十分供養されていない気がするからです。ですが、これらの呪物は和順庵に来てからトラブルも無く、むしろ良い知らせが舞い込む様になりました。そろそろ、知人住職に頼んで処分すべきところですが、モノが仏様関連となると、流石に処分と言っても、頼まれた先方からしても難儀すると思い「君達、もう少し和順庵で修行積むかぁ、、。」と、言っては次回、、また次回と、引き伸ばして来たのです。その中でも、印象深い呪物があります。呪物と言っても地蔵菩薩の石仏です。今から8年前、出張鑑定で福島県に行った時にお預かりしました。依頼者Pさん58歳女性の母親が仏壇の中に飾っておられたものです。お母様には、Pさんが長女、次女と本来なら長男もいらしたんですが、小学生の頃に事故で亡くされており、その事も有って、コノ地蔵菩薩を何処からか、お土産で買ってこられた様です。地蔵菩薩は、傘を被り錫杖を持っていてマスコット人形の様な、どことなく愛らしい石仏に見えます。ある時、Pさんが実家に帰った時、何気に仏壇を覗くと、地蔵菩薩に服を着せ、目や口、ほっぺに色を付けていました。「母さん、仏様に何にしてんのよ、、。オモチャじゃないんだから、バチがあたるわよ。どうしてそんな事したの、、。」と聞いても、お母様はお答えにならなかった様です。ご主人が亡くなられ、お母様は一人生活になり、車で20分のところに住んでいるPさんが、週3ペースでお母様の様子を見に来られていました。Pさんは「仏様に、あんな落書きをするのは、ボケが始まったかも、、。」と思われたのですが、それから数日が経過した頃、Pさんの職場に母親が倒れていたと、いつも来て貰ってるケアマネジャーさんから連絡がありました。お母様はすぐさま救急車で運ばれましたが、既に亡くなっていたとの事で、病院に駆けつけると共に警察の取り調べを受けた様です。事件性は無いとの事でしたが、お母様の傍にコノ地蔵菩薩が転がっていたとの事でした。よく見ると、地蔵菩薩には、前回見たのと違う生地で服が着せられていました。「これは、生前母のお気に入りだった服地だわ、、。大事にしてたのね。」と葬儀の時、地蔵菩薩を母の棺に入れてあげようと考えていました。 つづく
