母親には二つ下の妹Kさんが居て、生前互いに電話のやり取りをしていました。その親族が私のところに来て、「暫くKです。大丈夫?何か有ったら言ってね。私の主人と子供達、、。今主人と二人で暮らしているから、落ち着いたら遊びにいらして、、、。」と、挨拶に来られました。棺の中に、母親の生前大事にしていた品や念珠、経本を添えて地蔵菩薩を入れ様とした時、係の人から「コチラの仏様は石ですので、燃焼されませんが、お入れになりますか?」「そうなんですか?では、どうしたら良いですか?」「先程の御住職に言って、ご供養されたらどうでしょう、、。」と、係員が言い終えたと同時に、妹Kさんが「コレ、私持って帰っても良い?可愛いし、姉のお気に入りの服着てるじゃない。形見にするから、良いでしょ、、。」と言って持って帰る事になりました。その後葬儀は、滞りなくしめやかに執り行われました。棺は、参列者によって、花で埋め尽くされ、出棺されましたが先程迄、棺に備えて有った石仏は、ハンカチで包まれ、Kさんが持っていました。それから、月日が流れ母親の一周忌が過ぎた頃、Pさんの元にKさんから電話が有りました。「姉さんの葬儀以降、主人の体調がよく無くって、、。昨日、脳梗塞で倒れて、今入院してるの。」「えっ、ご主人が、、。母さんと同じ病気になるなんて。分かりました。知らせてくれてありがとうございました。」と、電話を切った時、「こういう不幸事は続くというから、ご主人に何も無ければ良いけど、、。」と、思ったそうですが、それから4日後早朝、Kさんのご主人はPさんの心配をよそに亡くなられた様です。Kさんのご主人が亡くなられ、もう直ぐ一周忌を迎え様としていた頃、Kさんから電話が有りました。「その節は、お世話になりました。Pさんにお願いが有るんだけど、聞いて貰えないかなぁ、、。」「一人になられてお困りでしょうから、何なりと言って下さい。」「実は、姉のお地蔵さんだけど、やっぱり姉さんの元が良い様な気がして、、。」「どうして、そう思われるんですか?」「夢に出て来るの、お地蔵さんが、、。出てきて、寂しそうにしてるの?」「寂しいって、お地蔵さんが、、。Kさん、ご主人が亡くなられて、お疲れが出てきたんじゃないですか?とにかく、明日お伺いします。」と言って、電話を切りました。翌日、Kさん宅を訪ねると、チャイムを鳴らしても出て来られませんでした。「Kさん、Pです。入りますよ、、。」と言って、部屋に入ると、ソファーに横たわって寝ているKさんがいました。「Kさん、大丈夫ですか?」「ゴメンなさい、ちょっと立ちくらみして、、。」「顔色悪いですよ。直ぐに救急車呼びますから、、。」と言って、Kさんを病院に連れて行く事にしました。Kさんの娘さんに電話を入れ、来られるのを待っていると、暫くして娘さんがやってきました。「Pさん、すみませんでした。近頃、母の様子がおかしいので、ちょくちょく見に行っていたのですが、まさか、こんな事になるなんて、、。」と、そこに主治医の先生から説明が有るとの事で、二人は先生の元に行きました。「Kさんですが、脳梗塞の症状が見られるので、このまま、入院して頂きます。」「分かりました。先生、宜しくお願いします。」と、言って二人は病院を後にしました。すると、娘さんが「Pさん、聞いていますか?母がPさんに渡して欲しいのがあるからって言ってたんですけど。」「それは、お地蔵さんですか?」「そうです。仏壇に有るお地蔵さんって言ってました。確か、叔母さんの形見だとか聞いてましたが、、。」「実はその事で今日伺ったんですけど、お母さん様子がおかしいって、何か有ったんですか?」「父が亡くなって以来、元気が無くって、母さんだいぶ痩せてたでしょ。食事もノドを通らないみたいで。コチラが話しかけても、聞いてない様な上の空、、。会話が繋がらないし、ここ最近、心配で、、。ある時、自分の服をハサミで切ってて、お母さん、何してるの?と聞いたら、このお地蔵さんに服を着せるのと言って、次の日行ったら、本当にお地蔵さんに着せてたもんだから、、母もとうとうボケてきたのかなぁ、、って思ったんです。」と言われた時、母の時と一緒だと思いました。「お母さんに確認したい事が有るので、今日のところは帰ります。」と言って、その日は帰る事にしました。そして、3日後夜、娘さんから電話が有りました。「Pさん、その節はお世話になりました。母がさっき亡くなりました。Pさんには良くして頂いたのに、本当に有難うございました。あれから、一言も話す事無く亡くなりました。Pさん、それで、例のお地蔵さんの件ですけど、、まさか最後の遺言になるなんて、、。またコチラに来て頂いても良いですか?」「分かりました、、。」と言ったものの、不吉な予感が致しました。すると、娘さんの電話を終えた時、再び電話がかかってきました。「Pさん、お世話になります、〇〇です。今度、店で催事するんですが、Pさんは占いとか好きですか?滋賀から有名な先生が来られますから、是非来てください。この先生は、お坊さんでもいらっしゃるので、お墓や供養の事もお尋ねできますよ。」「あの、、その方は、いつ来るの?」「来週の土日になります。」「じゃあ、予約したいのでお願いします、、。」と、まさか、、そんな曰く付きの地蔵菩薩と対面するとは、、。 つづく
